猛暑の夏に思う事


 今年の夏も猛暑で過ごしにくい日々が続いていますね。

 お盆を迎え、街は少し静かになった気がしますが、耳をつんざくようなセミの鳴き声が今だ健在です。
朝から「シャシャシャシャ…」とけたたましく鳴くのはクマゼミで、より一層暑さを増しているように感じてしまいます。 
 このクマゼミの勢いは年々増しているようで、まるで街じゅうが彼らの縄張りになってしまったかのようです。ふと耳を澄ませても、あの「ミーンミンミンミン…」という懐かしい夏の声は聞こえてきません。市街地ではミンミンゼミをみかけなくなりました。 
 子どもの頃、夏休みに公園で聞いたミンミンゼミやツクツクボウシの鳴き声は、どこか風情があったような気がしますが、今では都市部にはけたたましい鳴き声だけが響いています。 
 

  なぜミンミンゼミはいなくなったのか、とても気になったので調べてみました。 
〇都市化による土壌の変化 
ミンミンゼミの幼虫は柔らかく水はけの良い土壌を好み、都会ではアスファルトやコンクリートに覆われた地面が多く、育つには厳しい環境。 
〇ヒートアイランド現象 
都市部の気温上昇により、暑さに強いクマゼミが優勢になり、比較的涼しい環境を好むミンミンゼミは生息しづらい。 
〇樹木の種類の変化 
ミンミンゼミは落葉広葉樹を好むが、都市の街路樹や公園では針葉樹や外来種が増え、居心地の良い木が減ってしまっている。 
〇競合種の影響 
クマゼミやアブラゼミなど、鳴き声が強く活動的な種が都市部で増えたことで、居場所が狭まってしまった可能性もある。 
    といった理由でいなくなってしまったようです。 
 

  そんな中、先日岐阜や長野の山々に行った際、久しぶりに「ミーンミンミン…」という懐かしい鳴き声を耳にしました。木々に囲まれた静かな森林で、ミンミンゼミやツクツクボウシは今も変わらず、夏の風物詩としてその存在感を放っていました。 
そして夕方になると、どこからともなく「カナカナカナ…」というヒグラシの声も響いてきています。その音色はどこか切なく、そして涼やかで、日が暮れていく夏の空気にぴったりでした。 
 

  猛暑の都市で聞けなくなったセミの声は、自然と人の距離が近い場所では健在で、その環境がとてもかけがえのないものに感じました。将来的には今のような命に関わる猛暑ではなく、もう少し穏やかで過ごしやすい夏が戻ってきてくれたなら・・・・ 
セミたちの鳴き声もまた少し違った響きで耳に届くのかもしれないと思う今日この頃でした。