肺の中でガス交換を行う「肺胞」に炎症が起きる病気です。細菌やウィルスなど病原微生物の感染が主な原因です。肺炎は【市中肺炎】と【院内肺炎】に分類され、病気の重症度も軽症から重症まで様々ですが早期発見・早期治療が重要であることには変わりありません。診断には胸部レントゲン撮影が必須ですが、陰影が小さく淡い場合や他の臓器(心臓や骨など)と重なると発見が困難となります。このような場合に威力を発揮するのが胸部CTです。以下に当院での症例を提示します。
ケース1:59歳、男性、発熱(40.0℃)と咳を主訴に夜間来院。胸部レントゲン(図1)では肺炎の陰影を全く読み取れませんが、胸部CT(図2)では左肺下葉に肺炎(→)あり。直ちに入院し抗生物質の投与で軽快、肺炎像も縮小(図3)しました。
図1
図2
図3
ケース2:59歳、男性、発熱(40.2℃)と食思不振、脱力感を主訴に受診。胸部レントゲン(図4)では左肺に極めて淡い陰影があるも、読み取り困難。しかし胸部CT(図5)では左肺に広汎に肺炎像(⇒)を認め直ちに入院。抗生物質の投与で肺炎は治癒(図6)しました。
図4
図5
図6
これらのケースでは胸部CTが肺炎の早期診断に大きな役割を果たしました。当院では夜間(時間外)でも肺炎が疑われた場合は積極的にCT検査をおこない、肺炎の早期発見・早期治療に努めています。時間内外を問わずCT検査を必要に応じて行なっていますので、気軽にご相談下さい。